Saxophone Quartet の可能性
「Green Ray×Lady Honkerz コラボレーションライブ」
2023年6月4日 SUN 17:00開演
東京都目黒区 BLUES ALLEY JAPAN
仮想 #レディホとぐりんれい 円盤化記念
極私的ライナーノーツ
「歩み寄っているけど、譲ってはいない。そこから生まれたサウンド」
僕はどちらかと言うと「広く浅く」のタイプだが、時々何度も何度も味わってしまう好きなモノがあらわれる。
映画で言うと「Once Upon A Time In America」や「きみに読む物語」、マンガなら「バナナフィッシュ」や「ラフ」、音楽だと「Set Them Free」や「拝啓、ジョンレノン」、小説ならば「1973年のピンボール」や「華麗なるギャツビー」と言った具合に。
ではライブだったら何を自分は選ぶだろう。迷うことなく「#レディホとぐりんれい」だ。しかしながら、残念なことにしばらくの間このライブはアーカイブ化されていなかった。観たくても観る術がなかったのだ。1週間の配信アーカイブ期間に3回観たきりである。それが今回やっと円盤化されることとなり、そのライナーノーツを書かせていただいているのは望外の喜びである。本当にありがとうございます。
それでは早速駆け足ではありますが、そのライブの魅力についてお伝えしましょう!
まずは多彩なサクソフォン・プレーヤーが満載であることを最初に挙げたい。
個性あふれる魅力いっぱいのプレーヤー揃いなので、自分のお気に入りの演奏者が必ず見つかると思う。そして、その人に注目して、ステージを見ると、それぞれの見え方が変わってくるはずである。
だから箱推しや複数推しの人であれば、毎回見るたびに、どの演奏者に注目するかで違ったステージを味わうことができるのである。
第二に構成の妙が素晴らしい。
全体が三部構成になっており、第一部が「ぐりんれい」のワンマンライブ、第二部が「レディホ」のワンマンライブ、そして第三部が「#レディホとぐりんれい」の混成ユニットによるステージである。
クラシック畑のぐりんれいは普段はポップスや歌謡曲なども手掛けて、盛り上がるステージになるよう努めている。しかし、今回は第三部がその盛り上がるパートを担ってくれるので、第一部自分たちのワンマンではクラシックに思いきり振り切った選曲で臨むことを選択。それは「レディホ」も同様で、自分たちの原点となるスイングジャズをベースにした曲をメインに披露した。
そして第三部は徹底的にお客様を楽しませることに集中したステージングだった。
自己表現とエンターテインメントの絶妙のバランスがこのライブを刺激的かつ心地の良いものにしてくれた。
第三に各プレーヤーがあらゆる個所でチャレンジャブルなことに挑んでいるので、目が離せない。
「ぐりんれい」のソプラノサックス担当の「あすみん」は『タキシード・ミラージュ』において、「レディホ」と「ぐりんれい」の曲を織り込みながら10人という大編成のアレンジを見事に仕上げた。
「レディホ」のテナーサックス担当の「みなみ」はその「あすみん」の前でソプラノサックスでリードを一度ならず何度も取った。
「ぐりんれい」のバリトンサックス担当の「おでんちゃん」は第三部ジャクソン5パートでスイングのグルーヴに挑戦し、圧巻のプレイ、特にABCでのソロは無双。
「レディホ」の「はるはる」は『sakura』『ウィスキーがお好きでしょ』『I'll Be There』などの静かな曲調での精緻な演奏にさらに磨きをかけてきた。
上げればキリがない。全メンバー分あるのだけど他の方にコメントは譲ることとします。
そして、演奏だけにとどまらず、周りでのパフォーマンスでも色々なことを仕掛けてくる。ある「ぐりんぴーす」(ぐりんれいファンの愛称)の方が「もっと俯瞰で眺められる場所から見たかった。それほどに情報量の多いステージだった」とおっしゃっていたそうだ(副音声でのバリトン小林実鈴さん証言)本当に強く同意します。ことほど左様に魅力のあふれるステージだからこそ、何度見ても飽きない。見るたびに新しい発見がある。
聴いて感動、見つけて歓喜、ともに語って共感のステージです。
この円盤を元に他の方とこのステージの魅力を語れるなんて夢のようです(妄想=絶大なる期待)。
もうひとつ副音声から僕が共感した会話を引用します。
これはアンコール1曲目の「ロンドンデリー」で交わされた「小林実鈴」さんと「みなみ」さんとの会話です。
「クラシックとジャズの2グループが融合して、歩み寄っているけど、譲ってはいない。その状態からこのサウンドをしたことが熱くないですか」
「ホントそれ。ジャズだったらダニーボーイでスタンダードだし、(アイルランド民謡をクラシックで演奏すればロンドンデリーだし)まさに『私たちの曲』的な」
「なるほどね!たしかにね」
これこそ、今回のコラボレーションライブの真骨頂だと思う。
それでは最後に、僭越ながら、個人的にMVPを選ばせていただきます。
ともちゃんのバリトンによるドラムロール
「ぐりんれい」は「おでんちゃん」、「レディホ」は「みなみ」さんです。
素敵なパフォーマンスを本当にありがとうございました!
あなたのMVPは誰ですか?
いつか、どこかで、出会えたら、このステージについて語り合いましょう(^^♪
2023年7月21日 マツカンより
LadyHonkerz / レディーホンカーズ
2015年結成。
1930年代SwingJazz黄金期のサウンドをルーツとする女性のみのサックスアンサンブルユニット
また音楽的に兄弟であるSOULやFUNK、GOSPELもこなす幅広いレパートリーを持つ
アルト×2、テナー、バリトンの4サックスが基本編成で、アンプ要らずの機動力が売り
A.Sax エミリー
A.Sax & T.Sax ちほっぴ
A.Sax はるはる
A.Sax マリリン
T.Sax みなみ
B.Sax ともちゃん
GreenRaySaxophoneQuartet / グリーン レイ サクソフォーン カルテット
2009年結成。
音大卒のクラシック、ポップス専門のサックスカルテット。
世界屈指のサックス奏者、国立音楽大学教授の雲井雅人氏に師事した女性四人でお届けする
華やかで多彩な音色と親しみのあるトークで会場を魅了します
S.Sax 猪俣明日美(あすみん)
A.Sax 三田千晶(みったさん)
T.Sax 川﨑有記(ゆっきー)
B.Sax 小林実鈴(おでんちゃん)
#レディホとぐりんれい セットリスト
◆ぐりんれい ワンマン ライブ
M1. グリーンセレナーデ
M2. グリーンスリーブス
M3. ネバーウォークアローン
M4. マウンテンロード(座奏)
◆レディホ ワンマン ライブ
M1. Lady Cat's
M2. スイングジャズメドレー
(スイングしなけりゃ意味がない~ムーンセレナーデ~インザムード)
M3. Hot Saxes
M4. グリーンラグタイム
M5. sakura~メンバー紹介(Never Walk Aloneに乗せて)
◆レディホとぐりんれい選抜ステージ
◇歌謡曲パート
M01. め組の人(SS猪俣明日美、ASマリリン、BSともちゃん、TS川﨑有記)
M02. 歌舞伎町の女王(SS猪俣明日美、ASエミリー、BSともちゃん、TSちほっぴ)
M03. ウィスキーがお好きでしょ(ASはるはる、AS猪俣明日美、BS小林実鈴、TSみなみ)
M04. 接吻(SSみなみ、AS猪俣明日美、BSともちゃん、TSちほっぴ)
M05. 勝手にシンドバッド(SSみなみ、AS三田千晶、BS小林実鈴、TSちほっぴ)
◇ジャクソン5パート※アーカイブ配信なし
M06. ABC(ASエミリー、AS三田千晶、BS小林実鈴、TSみなみ)
M07. I'll Be There(ASはるはる、ASマリリン、BS小林実鈴、TS川﨑有記)
M08. I Want You Back(ASエミリー、AS三田千晶、BS小林実鈴、BSともちゃん、TSみなみ)
☾ セーラームーンパート
※ムーンライト伝説決定戦
チーム・プリキュア(ASはるはる、ASみったさん、BSおでんちゃん、TSちほっぴ)
VS
チーム・ちびうさ(ASマリリン、ASエミリー、TSゆっきー、BSともちゃん)
M09. ムーンライト伝説byチーム・ちびうさ
(ASマリリン、ASエミリー、TSゆっきー、BSともちゃん)
M10. 乙女のポリシー(SSみなみ、ASみったさん、BSともちゃん、TSゆっきー)
10人全員編成にステージ転換
◆レディホとぐりんれい全員ステージ
M01. タキシードミラージュ(SS猪俣明日美、ASエミリー、AS三田千晶、ASマリリン、ASはるはる、BS小林実鈴、BSともちゃん、TSちほっぴ、TS川﨑有記、TSみなみ)
M02. ジョイフルジョイフル(SS猪俣明日美、ASエミリー、AS三田千晶、ASマリリン、ASはるはる、BS小林実鈴、BSともちゃん、TSちほっぴ、TS川﨑有記、TSみなみ)
En01. ロンドンデリー(SS猪俣明日美、ASエミリー、AS三田千晶、ASマリリン、ASはるはる、BS小林実鈴、BSともちゃん、TSちほっぴ、TS川﨑有記、SSみなみ)
En02. セプテンバー(SS猪俣明日美、ASエミリー、AS三田千晶、ASマリリン、ASはるはる、BS小林実鈴、BSともちゃん、TSちほっぴ、TS川﨑有記、TSみなみ)※アーカイブ配信なし
スクショタイム「バカも休み休み Yeah~!」
わぁ~楽しかったぁ~
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